11月の一皿とワイン。
初冬の候、心地よく過ごしやすい季節はあっという間に過ぎ去ってしまい、
ひんやりとした風に乗り冬の足音が聞こえてきました。
この季節を今かいまかと心待ちにしていた野菜たちが、
土の中から懸命に顔を出す姿や葉に霜を降しながら
その体を大きく広げていく様はとても力強く、たくましさを感じます。
今月はそんな野菜の素朴なおいしさを最大限に生かした、
初冬のイタリアを感じさせるお魚料理を紹介します。
「寒鰆のソテー ちりめんキャベツとムール貝のリボリータ
春菊のサルサヴェルデ サフラン風味」
イタリアでは「cavolo verza (カーボロ・ヴェルツァ)」
と呼ばれるちりめんキャベツ。
その名の通り葉が縮れており水分が少なく、加熱すると甘みが増すのが特徴。
その特徴を最大限に生かすためムール貝と鶏の出汁でじっくりと煮込みました。
さらに動物性の脂とうまみを足すために
グアンチャーレ(豚頬肉の塩漬け)を加えてコクを出し、
仕上げにサフランの香りをプラス。
ちりめんキャベツの甘みとサフランの鮮やかな色と香りは
初冬のイタリアを感じさせます。
脂の乗った鰆はソテーにしおいしさをダイレクトに表現。
同じく冬の野菜である春菊を使った緑のソースを乗せ、
仕上げに今年初摘みのオリーブの実から絞ったバージンオイルを垂らして
ピリッと味を引き締めました。
鰆、ちりめんキャベツ、春菊、オリーブオイル。
そのどれもが主役級でありながら調和のとれた
お魚料理を是非お召し上がりください。
ご来店お待ち申し上げます。
Chef, EGUCHI
今回のワインは、
トスカーナ州 カルミニャーノの造り手
バッケレート テッレ ア マーノが造る自然派白ワイン
2020 "Sasso Carlo" Toscana Bianco, Terre a Mano
をご紹介します。
葡萄の収穫をギリギリまで待ち
貴腐菌を利用して遅摘みをし丁寧に一房、一粒を選別
自然農法・醸造に至るまでこだわり抜いた、
旨味があり葡萄の凝縮感と複雑味を存分に楽しめる自然派ワインです。
旬の旨味ある食材をつかったお魚料理との相性は
得も言われぬ味わいとなります。
是非お愉しみ頂きたいです。
今月もスタッフ一同
皆様の、ご来店お待ちしております!!
Sommelier, TABUCI